司会:−−昭和48年からバス旅行が始まりますね。1回目はミステリイバス旅行でしたね。今、そんな企画が流行し
ていますが、行き先を告げ無いという当時としては珍しい企画でしたね。−−
竹原:バス旅行の思い出は天の橋立、観音寺などがあります。大きな観音様でお金を投げて手のひらに乗ると運が
めぐってくるとかいって……
土井:いいところがあると、樋口さんは自費でタクシーを走らせて下調べをなさいました。利口な倹約旅行を計画して
くださり、以前臨海学校をした頃にも連れて行ってくださって、当時の女将さんに懐かしく再会しました。その折、見事
な虹が海にかかって大感激をしました。
茶珍:私が参加した初めてのバス旅行は西大寺、秋篠寺、須磨寺でした。
土井:昭和60年10月7日から8日にかけてのバス旅行の時、樋口さんをお宅にお迎えに上がりましたら。髪の毛を振
り乱して全身で何とか頑張ろうと思っても、立ち上がれない。ご病気をお持ちでいらしたので「お腹が痛くて立ち上が
れなくなって遅くなっているけど、今ちゃんとして行くから」ということで、もうすぐいらっしゃるからバスの中でお待ちして
いましたら、そのとき立ち直ってこられて病気にうちひしがれ、お迎えに上がった状況とはまるで違って心をひきしめ、
私たちをまとめて下さり、支部長さんという感じでバスの戸口に座って自分の体勢を立て直しておられた。凄まじいば
かりのご意志の強さにもう恐ろしいような有り難いような、つらいような、恐いような気持ちがしたのを覚えています。
司会:−−昭和60年頃のことですね。−−
進行係:その頃のことを付け加えますが、その頃体調がお悪くって、帰ってから寝込まれたのですが、「みんなにはい
わないで」とおっしゃって、「バスで疲れたのではない、風邪引いたんや」と先々まで考えておっしゃる姿に皆さん涙が
出るような気持ちだったとおっしゃってました。
苗代:昭和62年にも一泊バス旅行がありまして、この時は、樋口さんお元気でいらっしゃいました。琵琶湖方面バス
ツアーも樋口さんが計画されて、日帰り組、1泊組など、4コースに分けて、できるだけ沢山の人が参加できるようにと
計画する暖かい配慮がありました。
進行係:私もこのような役員になって、あれだけ沢山のコースを作るということは大変なことだと思います。東京組
み、徳島組、早く帰る組などと、お宅で一覧表を作ってきれいな字で書いてありました。ある日おじゃまをしたら電話
の前に座って一生懸命メモをとっていらっしゃる姿は、鬼気迫るものがありました。
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